「本籍」は、戸籍が置かれている場所(市区町村・地番まで)を指し、日本国内であればどこでも自由に設定・変更が可能です。戸籍には、親族関係などの重要な身分情報が記録されています。
そのため、「実家=本籍地」とは限らず、好きな場所を選ぶことができます。大阪城や皇居などにする人もいるそうです。
本籍と住民票の違い
- 本籍
戸籍が保管される場所として設定される地番付きの住所。住んでいる場所とは異なり、任意に選択・変更可能です。 - 住民票(住所)
実際に住んでいる場所を行政に届け出て登録される住所。引越すときは14日以内に変更届が必要です(義務)。
なぜ自由に設定できる?メリット・デメリット
役割としては「インデックス」、すなわち個人を識別するための見出しに過ぎず、住所としての実務的意味を持たないため、自由に決められるのです。
メリット
- 出生地や思い出の場所など、自分にとって特別な土地を本籍にできる。
- 本籍地に近ければコンビニ交付などの自分の戸籍の取得がスムーズ。
- 2024年の戸籍法改正により、全国どこの窓口でも戸籍謄本の取得が可能になり、遠方本籍でも不便さが軽減。
デメリット
- 遠方の本籍だと、相続時や証明書取得時に手間がかかる場合がある。
- 転籍(本籍変更)には役所での手続きが必要。ただし、新戸籍に旧情報が記録され追跡可能です。
各国における「本籍自由設定」の比較
- 日本
現在も戸籍制度が稼働し、本籍は地番ある住所であれば自由に設定可能。 - 台湾
戸籍制度が存続していますが、日本ほど自由に設定できるかは不明瞭です。ただし、制度としては類似性があります。 - 韓国
2008年に日本型戸籍制度を廃止し、「家族関係登録制度」に移行。家族関係は法に基づいた登録で管理されます。 - その他の国(例:アメリカ・カナダなど)
戸籍制度自体がないため、出生証明、婚姻証明、死亡証明など複数の書類で家族関係を証明します。
まとめ
日本の「本籍」は、住所とは異なる身分管理上のルーツのような場所であり、自由に設定できるというユニークさがあります。しかし、手続き面や将来の証明書取得などを考慮し、慎重に選ぶことをおすすめします。