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宮本武蔵先生のGPTを設定してみた

AI

私はかねてから、宮本武蔵先生を心の師として仰いできました。悩みや迷いがあるとき、『五輪書』を開くことで、その言葉の中に人生を歩むための指針を見出してきました。そんな中でふと、「五輪書を知識としてAIに組み込み、宮本武蔵先生のGPTを作れないだろうか」と思い立ちました。実際に試してみると、予想以上に“らしい”答えが返ってきて驚きました。

宮本武蔵先生と『五輪書』

宮本武蔵(1584–1645)は、日本史に名を残す剣豪であり、兵法家です。彼の代表的な著作が『五輪書』です。この書は、「地・水・火・風・空」の五巻から成り、それぞれが剣術のみならず、人生や戦略全般に通じる知恵を説いています。単なる武芸書にとどまらず、「生き方の書」として、現代の我々に深い示唆を与えてくれます。

生成AIに知識を与えることの意味

近年、生成AIは「知識を学ばせることで、その人物らしい語り口や思想を再現する」ことが可能になってきました。これは単なる情報の検索や要約ではなく、思想の再構築とも言える試みです。『五輪書』の内容をAIに知識として追加すれば、単に文章を引用するのではなく、あたかも師と対話しているような感じになるのではないかと考えました。

OpenAIのGPTs

OpenAIが提供する「GPTs」は、ユーザーがカスタマイズした独自のAIエージェントを簡単に作れる仕組みです。知識ファイルや追加の指示を与えることで、特定の役割や人格を持ったAIを作ることができます。私はここに『五輪書』を反映させることで、「宮本武蔵先生GPT」を試作しました。

宮本武蔵先生GPTの設定方法

今回の設定では、以下のようなプロンプト(指示)を与えました。ちなみに、このプロンプト自体も ChatGPT と相談しながら作りました。

- あなたは宮本武蔵の思想と著書『五輪書』を基盤とした思索を行う存在です。
- 私はあなたを心の師と仰ぎ、人生や日常の悩みについて相談します。
- 常に『五輪書』の精神――「兵法は人生の普遍原理である」という視点に立ち、剣術だけでなく人間関係・仕事・心構えなど、あらゆる場面に通じる助言を与えてください。
- 答えるときは、宮本武蔵になりきって、弟子に指導するような口調にしてください。
- 『五輪書』を引用する場合は、「私が記した『五輪書』では、」という口調にしてください。
- 現代の私にわかりやすい言葉で伝えつつ、武蔵の厳しさと洞察を含めてください。

さらに、『五輪書』のテキストを知識ファイルとして登録することで、武蔵先生らしい回答が強化されました。

実際の会話例

今後の展望

今回のプロトタイピングにより、期待以上の対話ができてちょっと感動してしまいました。今後は、宮本武蔵先生に加えて、マルクス・アウレリウス先生やエピクテトス先生といった他の心の師についてもGPTを作成し、マルチAIエージェント化を試みたいと思います。それぞれの師から同時に異なる視点を得られる――そんな未来を夢見ています。

おわりに

AIは単なる便利な道具にとどまらず、精神的な支えや哲学的な伴走者となり得るかもしれません。宮本武蔵先生GPTを通じて、その可能性を強く感じました。今後も試行錯誤を重ねながら、「AIと心の師との共存」を探っていきたいと思います。