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『DIE WITH ZERO』を読んで考えたこと

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はじめに

最近、ふと「老後」という言葉に実感を持つようになり、「このまま働き続けて、本当に大切なものを見逃してはいないか」と自問していたとき、妻に薦められて手に取ったのが本書『DIE WITH ZERO』です。

基本情報

  • タイトル:『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』
  • 著者:ビル・パーキンス(Bill Perkins)/訳:児島修
  • 出版社:ダイヤモンド社
  • 出版年:2020年9月(日本語版)
  • 価格:定価 1,870円(税込、本体価格1,700円)

目次(抜粋)

  • ルール1「今しかできないことに投資する」
  • ルール2「一刻も早く経験に金を使う」
  • ルール3「ゼロで死ぬ」
  • ルール4「人生最後の日を意識する」
  • ルール5「子供には死ぬ『前』に与える」
  • ルール6「年齢にあわせて『金・健康・時間』を最適化する」
  • ルール7「やりたいことの『賞味期限』を意識する」
  • ルール8「45~60歳に資産を取り崩し始める」
  • ルール9「大胆にリスクを取る」

概要

本書は、「人生で最も大切なのは、お金ではなく“経験”である」という基本に立ち、次のような視点を提示します。

  • 「記憶の配当(Memory Dividend)」を最大化するために、お金を使うタイミングを逆算する
  • 「Time Buckets(時間の区切り)」に応じて人生をフェーズごとに区切り、健康・時間・お金のバランスに応じた経験を計画的に
  • 「ゼロで死ぬ(Die With Zero)」という発想は、死ぬまでに残ったお金を使い切ることを奨励し、「お金を貯めること」以上に「今そのお金で得られる経験の価値」を重視させるメッセージ
  • 「年齢に応じた最適な使い方」や「経験には賞味期限がある」ことの意識は、時間と健康とのバランスを考えるうえで示唆的

感想(共感した・印象に残ったポイント)

  1. 「経験=人生の配当」という思考
    若く健康なほど経験の価値は高まり、記憶として残る。その積み重ねが人生の喜びになるという考えに強く共感しました。
  2. 「ゼロで死ぬ」という挑発的な表現の裏にある深い問いかけ
    単純にお金を使い切れというのではなく、無駄な貯蓄をしがちな私たちに、「人生を浪費していないか?」と問いかけられているようで刺さりました。
  3. 「健康・時間・お金」の三位一体を見直す視点
    都心の高額なローンや共働きの忙しさに追われがちな日々の中で、健康や時間の価値を置き去りにしている自覚があります。この視点はまさに人生の最適化に役立ちます。
  4. 「経験の賞味期限」の意識
    子どもが小さい間にしかできないこと、身体が動くうちに体験すべきことなど、「やれるうちにやる」行動を後押ししてくれます。
  5. 「Give while living」の考え方の余韻
    与えるタイミングを「死後」ではなく「生きている間」に持つという発想に、人生の豊かさを感じました。

おわりに

読み終えて、私の中には「人生とは何か」「どう生きるべきか」という問いが改めて澄んだ音で響いています。お金や未来に向かって貯め込むだけの人生ではなく、「今、この瞬間をどう豊かに<経験>として積み重ねていくか」に意識を向けたい──そんな強い思いが芽生えました。これからは「経験への投資」を、意識的に、生きる指針の一つにしていこうと思いました。